直接作業と間接作業
【基本ポリシー】
私は「早く」することを重視しています。
早くする目的は、①第一にトリミングに関するストレスを軽減してワンちゃんに「優しく」するためです。
また、②二番目として効率的な店舗運営をすることで、気軽に通えるトリミング価格に下げるためです。
最優先はワンちゃんに優しくすることなので、時間を短縮できるとしても、ワンちゃんのストレスにつながる恐れがあることはしません。
例えば、私の店では自動洗浄機や自動乾燥機は使わず、トリマーさんがすべて手作業で丁寧に行っています。(探せば優しい洗浄機や乾燥機があるでしょが、私には確認できません)
【作業の洗い出しと区分け】
それでは、私が時短のために行ったことを紹介します。
まず、トリミングで具体的に何をしているか、小さな作業ごとに、すべての作業をノートに書きだしました。
次に、書き出した作業をワンちゃんに直接触れる「直接作業」と、それ以外の「間接作業」に分けました。例えば、
<直接作業>
爪切り、シャンプー流し、ドライヤー乾かし、毛玉取り、足バリカン、顔カット・・・・・
<間接作業>
予約電話対応、シャンプー台が空くのを待つ手待ち、シャンプーからトリミング台への移動、道具を取りに行く、お客様の来店を待つ、レジ会計・・・・・
【短縮できる作業を見つける】
作業の長いリストができたので、次に短縮できる作業はないか?つぶしていきました。
<直接作業>
みなさんは「スピードトリミング=直接作業の短縮」と考えるかもしれませんが、意外なことに直接作業は思ったほど短縮できません。
確かに早くて上手なベテラントリマーさんはいます。たぶんトイプードルのフルトリミングが1時間ぐらいです(下のYouTube参照)。
しかし、普通のトリマーさんでは速さには限度があります。ケガをさせては本末転倒です。
また、削れる作業もほとんどありません。人間の1000円カットはヒゲソリ・シャンプー・マッサージなどの工程を削ることで時短ができますが、犬のトリミングでは削れる作業はほぼありません。
しがって、せいぜいベテランをマネする仕組みを作ったり、ムダなおしゃべりを減らして集中できる環境を作ったり、少しづつ改善努力をするしかありません。
急に早くできる魔法の杖はありません。
<間接作業>
意外に思われるでしょうが、私の時短の8割以上は間接作業の短縮です。こちらはすぐに改善でき、短縮効果も非常に大きいです。
作業の導線を改善(道具の配置、シンクの配置)、予約の取り方・入れ方を改善、電話対応が少なくなるような諸施策・・・・・
行動を観察すれば、改善できる作業はいっぱいあります。
以上のように、私の時間短縮は直接作業ではなく間接作業の削減です。私の経費節約が、変動費ではなく固定費の削減であることと似ています。
時間もコストもトリミングそのものから削減することは非常に難しいと、私は思います。